The Idiot, the Curse, and the Magic Academy

Chapter 111



「アーサーとヘンリーはわかった。次のロナルドとユキ組は?」

シャルがまとめた紙を見てみるが、あまり詳しく書かれていない。

「違うクラスだからね。ロナルドが槍を使うってことと強いってことしか知らない」

「槍ねー。長身だったし、リーチはすごそうだな」

魔法も使えるんだろうし、槍使いのイルメラに近いのかもしれない。

「ロナルドを知ってるの?」

「この前、川にワニを狩りに行ったんだけど、その時にこの2人と会ったんだよ」

釣りとトカゲ狩りをしてた。

「ワニって……」

「すごい大きかったね。それを瞬殺してた」

ミシェルさんが俺を指差しながらシャルに説明する。

「あなた、そのうちライオンと戦いそうね」

「アストラルにいんの?」

「ライオンはいない。虎はいるけど」

虎はいるんかい。

「まあいいじゃん。その時に会ったんだけど、雰囲気的には強そうだったな。でも、実際に戦いを見てないからわからない」

「そうよねー……私的にはユキさんが不気味よ。だって、ずっと目を閉じてるのよ? 絶対に強いわよ」

まあ、言わんとしていることはわからないでもない。

「この2人に関してはある意味ラッキーだと思いますよ」

クロエはまたもや口を挟んでくる。

「なんで?」

「この組はお嬢様達と当たる前にトウコ様とユイカさんの組と当たります。そこで確認すればよろしいかと」

そう言われて対戦表を見ると、初日の月曜の昼一からこの2組の対戦があった。

「ホントね……ここで確認すればいいか。トウコさん達が瞬殺しないことを祈りましょう」

アタッカーのコンビだからなー……

開始と同時に飛びかかりそうだな2人だ。

「この白川って子はツカサ君と同じ日本人でしょ? 何か知らないの?」

ミシェルさんが聞いてくる。

「そういや父さんに聞いたわ。魔力で一時的な剣や盾を作ったりする魔法だってさ」

「具現化魔法だね。高度な魔法だけど、かなり古いわ」

知ってるんだ……

「あと、ユキから聞いたんだけど、ロナルドとユキは従兄妹同士らしい。ついでに言うと、白川家は傾き中だってさ」

「白川さんが若くして当主に就いているのは知ってるけど、傾いているのは知らなかったわ。それにしても従兄妹ねー。連携はありそうだから注意することね」

仲が良さそうだったし、ありえるな。

「まあ、初日の戦いを見てだな」

具現化魔法とか言われてもよくわからんし。

「そうね。では、最後のトウコさん、ユイカさん組ね。これはあなたが一番詳しいでしょ」

シャルが最後の組の紙を見せてくる。

「まあ、妹とユイカだからな。ユイカは演習で戦ったことがある」

「トウコさんとは私もやった。魔力、魔法の速さ、武術……どれも一級品だったわね。まさに天才」

「そうだな。ユイカはスピードで攪乱して双剣で攻撃してくる奴だ。この2人の弱点は明確で防御が下手くそなことと連携は絶対にしてこないこと」

あいつらは相手をいかに最速で倒すことしか頭にない。

「怖いわねー……」

「お嬢様は距離を取って、絶対に近づいてはいけません。瞬殺されますよ」

「そうね。転移魔法でもなんでも使って逃げまくることをおすすめするわ。あの2人は真っ先に高火力の魔法持ちなのに雑魚のあなたを取りにくる」

ミシェルさん、言うなー……

「…………というか、あの2人に限らずに皆、そうしてくるでしょうね」

うん。

「そんなところだな。特訓でもするか?」

「そうねー……具体的には?」

どうしようかね?

「お嬢様、このクロエにお任せください。すばらしい特訓を思いつきました」

六連覇さんの特訓か。

「どんなの?」

「お嬢様がやらないといけないことはとにかく、逃げることです。隙をついて魔法を撃つのは最後です」

「まあ、そうなるわね」

「ですので、そういう特訓をしましょう。演習場は……無理ですかね?」

クロエがミシェルさんに聞く。

「多分、他の生徒でごった返していると思うわ。皆、特訓してると思う」

時間もないし、知らない人と組んだ人は練習したりするだろうな。

「では、湖の森に行きましょうか」

あそこか。

熊が出たりして。

「そこで特訓? 何をするのよ?」

「それは着いてからのお楽しみです。ささ、動きやすい格好に着替えてきてください」

「気になる言い方ねー……」

シャルはそう言いつつも立ち上がって、リビングから出ていく。

「では、ツカサ様とミシェルも準備して、湖まで来てください」

俺も着替えるかな……

「私も行くの?」

「ツカサ様の護衛でしょうが」

さりげに事情を知っているメイドさん。

「いや、そうなんだけど、さすがに1つのチームに肩入れするのはどうかなと……」

「もう遅いです。あなたは麦茶を飲みました。つまり賄賂は受け取ったのです」

「安っ……」

「グダグダ言ってないで準備しなさい。ツカサ様もお付き合いくださいませ」

俺達はクロエに急かされたので家を出ると、各自の家に戻ることにした。

そして、運動着に着替え、準備を終えると、寮に行く。

すると、休憩スペースにフランクとセドリックがいた。

「よう、お前らは練習とかしないのか?」

休憩スペースに行き、2人に声をかける。

「よう。やろうと思ったんだが、ダメだわ。演習場が空いてない」

「学園が急すぎるんだよね。まあ、放課後とか夜にやるよ」

やっぱり演習場はダメか。

「対戦相手はどんな感じだ? いけそう?」

「2勝はできるが、1組は知らんからわからん。まあ、セドリックがやる気ねーし、適当にやる」

2勝できると断言する辺りはさすがだ。

「僕らよりもツカサだよ。結局、会長と組んだんだね。先生が決めた?」

セドリックが聞いてくる。

「いや、普通に組んだ」

「よくやるよ……それで? トウコとユイカに勝てそう?」

「わからん。今からその特訓で湖だな」

「そっか。まあ、Dクラス同士だから表立って応援はできないけど、心の片隅で応援してあげるよ。トリだし」

トリなんだよなー……

「俺も見たわ。しかも、初日の最初にアーサーとヘンリーとやるんだろ? ある意味、すげーシードだな。注目されまくり」

「気を付けなよ。あの2人は強いうえにマチアスほどじゃないけど、血統派だからね」

Cクラスだもんな。

「やりにくいのはそいつらだろ。血統派筆頭のシャルを相手にしないといけないし」

しかも、同じクラスの女子。

「確かにな。変なことを言えねー」

「あの2人もまさか会長がDクラスと組むとは思ってなかっただろうしね」

2人が笑う。

「まあ、誰であろうと関係ないわ。潰す」

「頑張れ」

「特訓も頑張ってね」

「ああ、じゃあ行ってくるわ」

俺はこの場をあとにし、湖に向かった。

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